木材の一般知識について 〜建築学生が解説〜

[ 建築単語集 ]

この記事では、建築を学ぶ上で押さえておきたい木材の一般知識を紹介しています。
一級建築士を目指す方や、大学院入試を受験される方は、数値まで覚えておきましょう!

木材の含水率と収縮・強度

木材の強度と含有水分

木材の含有水分には自由水結合水がある。

結合水・・・細胞壁内で組織と結合している水分

自由水・・・細胞の内膣や空隙に存在し自由に移動できる

このため、結合水は木材の性質に大きく影響するが、自由水はあまり影響を及ぼさない。

乾燥していく過程では、まず自由水がが消失した後で結合水が減少し始める。その境目を繊維飽和点という。

乾燥していく過程で、繊維飽和点を下回ると強度が増加する。つまり、含水率がおよそ30%以上では木材の強度は一定だが、含水率が30%より小さくなると、含水率が小さいほど強度は大きくなる。

含水率

含水率は、完全に乾燥させた木材の質量に対する保有水分の質量の割合。

cf)繊維飽和点の含水率は樹木にかかわらず28%程度。


木材の強度と含水状態

木材は乾燥すると比重は小さくなるが、強度は大きくなる

shiro
気乾材の含水率は15%程度、繊維飽和点は30%


木材の性質

木材の異方性

木材は方向によって強度や性質が異なる異方性材料である。

そのため、それぞれの方向で強度や性質を考える必要がある。(異方性材料の代表例には木材、鉄筋コンクリート、FRP、などがある。)

ここでの方向については、接線方向、半径方向、繊維方向で考える。

cf)対照に、あらゆる方向で強度や性質が同じ材料を等方性材料という。

 ex)鋼


含水率の変化による収縮率と膨張率の変化の大きさ <物理的性質>

一般に木材は、密度が大きいほど収縮率と膨張率の変化の大きさも大きい。

含水率の変化による収縮率と膨張率の変化の大きさは「接線方向>半径方向>繊維方向」の順で変化しやすい。

木材の乾燥収縮による寸法安定性は

接線:半径:繊維=10:5:1

shiro
木材の乾燥収縮による寸法安定性は「 接線:半径:繊維=10:5:1 」

cf)温度変化による寸法安定性について

木材は金属などとは違い、熱膨張率は極めて小さく温度変化により寸法が大きく変化することはほとんどない。


引張強さの大小関係 <力学的性質>

引張強さの大小関係は「繊維方向>年輪の半径方向>年輪の円周方向」の順で大きい。

木材の強度は繊維方向で最も高くなる。半径、接線方向ではその1割程度。

shiro
木材の強度は 繊維方向 で最も高くなる。半径、接線方向ではその1割程度。


歩留まり

木の切り方によって木材の表面に現れる模様である木目が違ってくる。

木目には、柾目面、板目面、小口面がある。

柾目・・・年輪が並行模様。板の収縮が少ない。

板目・・・年輪が波型模様。収縮やソリが大きいが、歩留まりは良い。

 cf)両者の中間は追い柾と呼ばれる。

歩留まりとは木材の材積に対して加工後の製品体積がどれくらいになるかの割合。

心材と辺材

木材の樹心部を心材(赤身)、外縁部を辺材(白太)と呼ぶ。

心材・・・樹脂が多く組織が密なので、強度も大きく寸法の狂いが少ない。

辺材・・・心材と比べて、柔らかく腐りやすい。

木表・木裏

木表・・・樹皮に近い部分。木裏よりも収縮が激しく、木表側にそりやすい。

木裏・・・樹心に近い部分。

shiro
つまり木裏のほうが、乾燥による収縮量が少ないということだね。

木材の耐火性

木材を加熱して温度が100℃を超えると熱による成分の変化が始まる。

口火があると、240~270℃程度引火し木材の燃焼が始まる。

さらに温度が上昇し、430~500℃程度で口火がなくても発火する。

実際の火災では発火よりも引火による火災が多いことから260℃を火災危険温度としている。

shiro
引火温度は240〜270℃で、発火温度は430〜500℃、火災危険温度は260℃だよ。

腐朽・食害

腐朽

木材は、木材腐朽菌などにより腐朽する。

木材腐朽菌は、含水率20%以上、温度0〜50℃、の環境で繁殖しやすい。

長期にわたり木材の含水率を15%以下に保つと腐朽しにくい。

shiro
木材腐朽菌は水分、酸素、酸素、栄養分の条件が揃うと繁殖するよ。

食害

ヤマトシロアリ・・・湿潤した木材を食害する。

イエシロアリ・・・水分の補給能力があるため、ヤマトシロアリの食害よりも深刻。